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板金加工も多品種少量の時代。ロボットで働き方はいかに変わるか?



昔は大量生産が主流だった板金加工ですが、今は多品種少量生産の時代となっています。しかし、少子高齢化や若年就業者の減少が続く影響から、製造業界では人手不足が深刻化している状態です。
 
さらに、溶接業界は3Kのイメージがいまだ根強く残っていることから、他の製造業に比べて人手不足の問題に頭を抱えています。こうした問題の改善が期待できるとして注目されているのがロボットの導入なのですが、どのような変化をもたらしてくれるのでしょうか?
 
この記事では、多品種少量生産の時代となった板金加工が、ロボット導入によってどのような働き方に変わるのかをご紹介していきます。近年、ロボット導入のハードルが低くなり中小企業でも活用しやすくなっているので、現状の改善や業界での生き残りを考える方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

目次[非表示]

  1. 1.板金加工の多品種少量生産における問題
  2. 2.ロボット働き方はどう変わる?導入するメリットは?
    1. 2.1.短い時間でも品質を維持しながら安全な板金加工ができる
  3. 3.板金加工業にロボットを導入するメリット
    1. 3.1.【メリット1:人手不足の解消】
    2. 3.2.【メリット2:現場環境の改善と作業員の負担軽減】
    3. 3.3.【メリット3:生産性や品質の向上が期待できる】
    4. 3.4.【メリット4:熟練の職人を育成しなくても品質を維持できる】
  4. 4.ロボット導入のハードルはそれほど高くない
  5. 5.ロボット導入で多品種少量の時代でも働き方を改善できる

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板金加工の多品種少量生産における問題

板金加工業界では、人手不足と新たな人員を募集しても必要な人材が集まらないという問題を抱えています。特に中小企業ではこの問題が深刻化していて、多品種少量生産が主流になっている今、仕事量が増加するのに対して人手が足らず加工作業が追い付かないのが現状のようです。
 
さらに、2019年から施行された「働き方改革法案」によって、これまでとは大きく働き方が変わっています。仕事が増えれば残業を行い、時には休日を返上して労働時間を増やすなどを行っていましたが、働き方改革が施行されたことで従来までの働き方ができなくなっています。
 
また、溶接業界は他の製造業に比べて3K(きつい・汚い・危険)のイメージが強く残っているため、若い世代の就業者が減少しています。このような働き方や溶接業界のイメージが、深刻化している人手不足の原因になっているようです。
 
しかし、現在ではロボットを導入することで深刻化している板金加工業界の問題や働き方を改善することができます。そのため、現在では主流となっている多品種少量生産にも対応することが可能になり、現状維持が難しい中小企業でもロボットの導入が進められています。

ロボット働き方はどう変わる?導入するメリットは?

多品種少量の時代となった現在、ロボットを導入することで板金加工業界の働き方をより良いものへと変えることができるようになります。しかし、ロボットを利用する場合には導入コストが掛かるので、導入後の働き方の変化やメリットが気になるのではないでしょうか?
ここでは、ロボットを導入後の具体的な働き方の変化と導入メリットについてまとめてみました。ロボットを活用した場合、実際にはどのような働き方ができるのか、どれだけのメリットがあるのかを一つひとつ見ていきましょう。

短い時間でも品質を維持しながら安全な板金加工ができる

昔は労働時間の100%が仕事量だったことに対し、現在では働き方改革によって70%まで仕事量を引き下げなければ法に触れてしまうようになりました。つまり、昔であれば許されていた残業や休日返上などを行った働き方はできず、仕事量に対して十分な作業が行えなくなっています。
 
そんな現状の働き方を改善してくれるのがロボットです。製造業界では「産業用ロボット」「協働ロボット」の2種類が利用されていて、近年ではロボット技術の進歩により製造業界が抱える問題や悩みを解決することができています。
 
作業員に変わって作業を行ってくれますし、ロボットなので一定のスピードを保った状態での作業が可能になり生産効率が向上。他にも、AI技術によって品質向上や工数削減なども可能になり、板金加工業の働き方をより良いものへと変えることができるようになっています。

板金加工業にロボットを導入するメリット

板金加工業にロボットを導入すると、現状で抱えている問題の解決や以下のようなメリットが期待できます。

【メリット1:人手不足の解消】

少子高齢化の影響や若年就業者の減少などが原因となり、業界でも深刻化されている人手不足の解決が期待できます。ロボットが作業員に変わって溶接作業を行ってくれますし、必要な数のロボットを導入すれば生産ラインを安定させることができます。
 
また、ロボットなので「いつか辞めてしまうのでは?」といった不安もなくなりますし、コーチングをすることで熟練工にしかできない作業を任せることも可能。人手不足の問題は現場作業員はもちろん、熟練工の高齢化によって技術者が不足していることも問題の1つとなっています。
 
さらに、熟練の技術を継承したくても継承する人材が不足しているので、新しい技術者を育成するのは難しい状態です。しかし、こうした技術者の育成もロボットを活用すれば不要になるので、熟練工を含む人手不足の問題の改善も期待できます。

【メリット2:現場環境の改善と作業員の負担軽減】

溶接現場で働く作業員は、怪我や病気などの危険性が付きまとうというイメージがあります。若年就業者が減少している理由には、こうしたイメージを持たれていることもあるのではないでしょうか?しかし、そんな危険を伴う作業をロボットに行わせることで、作業員の安全を確保することができるようになります。
 
作業員の代わりを務めるだけでなく、安全性の確保も可能になるので、安全な現場づくりにも効果を期待できるのがロボット導入のメリットでもあります。板金加工ではレーザーやガスを使用することで人体に悪影響を与えてしまいますが、ロボットであればそのような心配はなくなるでしょう。
 
他にも、板金加工では肉体的に負担の大きな作業を行うものがあり、腰痛や体の不調に悩む作業員は多いようです。こうした作業員への負担もロボットの活用で改善できるので、作業員への負担軽減を考えているのであれば、導入するメリットは大きいのではないでしょうか。

【メリット3:生産性や品質の向上が期待できる】

ロボットを使った作業では一定のスピードを維持した状態で行うことができますし、休憩を必要としないので作業を中断することなく作業を行うことができます。そのため、人手による作業よりも生産効率が上がり、生産性の向上が期待できます。
 
また、熟練の技術を持った職人でも長時間の作業になってしまうと、集中力の低下や疲労によってミスが発生しやすくなってしまいます。しかし、ロボットはどれだけ長時間の作業でもクオリティを維持した状態で生産し続けることが可能なので、品質の維持・工場も期待できます。

【メリット4:熟練の職人を育成しなくても品質を維持できる】

人手不足が深刻化している現状では、熟練工の技を継承して新しい職人を育成するのは難しいもの。しかし、ロボットを利用すれば職人を育成しなくても、品質を落とすことなくクオリティの高い製品の製造が可能になります。
 
近年、ロボット技術の進歩により簡単なコーチングで作業動作を学習させ、設定されたプログラム通りの作業を行ってくれます。つまり、職人の技術をロボットに学習させれば、熟練工が手掛けた製品を同様の品質で製造可能になります。 もちろん、ロボットではできないことがまだまだあるので、精度の向上が今度の課題です。
 
また、自動でコーチングデータの修正・作成を行うことができる最新のロボット技術も普及しています。これまで板金加工の自動化は難しいとされてきましたが、こうした最新技術も導入することで自動化を可能にします。

ロボット導入のハードルはそれほど高くない

ロボットを導入することで板金加工業界の働き方を改善できるのは、これまでの内容からお分かりいただけたと思います。しかし、いざロボットの導入を考えたとき、導入コストがネックとなりなかなか進められない企業は少ないでしょう。特に、中小企業はロボットの導入はハードルが高いと感じる傾向があるため、働き方の改善が可能になることやメリットが豊富であると理解していても、導入に踏み切れない状態なのではないでしょうか?
 
板金加工を含む製造業界では、主に産業用ロボットと協働ロボットの2種類が活用されています。産業用ロボットは大型~中型のものが多く、作業員の安全を確保するために安全柵や囲いの設置が法律で定められています。また、ロボットの設置場所の確保も必須なので、産業用ロボットの導入コストは高くなっています。
 
一方、協働ロボットは文字通り作業員と協働で作業を行える仕様で作られています。そのため、基本的には安全策や囲いの設置は不要ですし、産業用ロボットに比べて小型のものが多いので設置スペースの確保が不要です。
 
つまり、協働ロボットであれば導入のバードルは低く、中小企業でも導入しやすいロボットになっています。ですが、導入目的を明確にしておかなければ、結果的に導入コストが高くなってしまうケースもあります。
 
安全性の高い協働ロボットでも場合によっては安全柵や囲いが必要になったり、より性能の高いロボットが必要になったりなど、このような状態になると結果的に導入コストが高くなります。
 
そうならないためにも、ロボットを導入する際には対象の作業に基づいたロボットの選定やリスクアセスメントをしっかりと行うことが大切です。
 
前章でもご紹介しましたが、最近では専門的な知識がなくてもコーチングできるロボットが開発されているので、コーチングマンが在籍していないのであれば「ダイレクトコーチング」ができるロボットを選ぶと良いでしょう。

ロボット導入で多品種少量の時代でも働き方を改善できる

大量生産に比べて作業工数が多く人手が必要になる多品種少量生産。板金加工業ではそんな多品種少量が主流の時代となっているようですが、少子高齢化や若年就業者の減少が原因で人手不足の問題が深刻化しています。
 
そんな板金加工業が抱える問題は、ロボットの導入で改善することができます。作業現場の改善や作業員の負担軽減、生産性や品質の向上が期待できるので、これまでに比べて働き方をより良いものにできることが期待できます。協働ロボットであれば導入コストは低いので、導入ハードルがネックだと感じている中小企業でもロボット導入できるでしょう。


・L-ROBOT板金溶接パッケージサービス資料

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