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製造業を支える、自動溶接の違いとメリット・デメリットを解説

みなさんは、ロボットがまるで人間のように作業をしている様子を見たことがありますか?映画の世界のような光景ですよね。

実は、この技術はSF映画だけでなく、私たちの身近な工場でも使われているんです!今回は、この自動溶接についてわかりやすく説明します。

目次[非表示]

  1. 1.自動溶接って何?
  2. 2.自動溶接の仕組み
    1. 2.1.自動溶接機
    2. 2.2.ロボット溶接
  3. 3.溶接ロボットの基本構成
    1. 3.1.1. マニピュレーター
    2. 3.2.2. コントローラー
    3. 3.3.3.ティーチングペンダント
  4. 4.自動溶接のメリット
  5. 5.自動溶接のデメリット
  6. 6.自動溶接の選び方
  7. 7.自動溶接の未来
  8. 8.まとめ

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自動溶接って何?

自動溶接とは、溶接機がまるでロボットのように自動的に動き、金属を接合する技術です。この技術は人間が手作業で行うよりも、ずっと速く、正確に作業を進めることができます。
自動溶接の導入によって、特に大量生産が求められる工場では、驚異的なスピードと精度で生産ラインを動かすことが可能になります。例えば、自動車のフレームを溶接する際には、複雑な形状や多様な接合部分に対しても一貫した高品質な溶接が求められますが、自動溶接技術を利用すれば、それが可能となります。これにより、製品の品質が安定し、リードタイムの短縮にもつながります。
また、自動溶接は、労働環境の改善にもつながります。溶接作業は高温や火花が飛び散る危険な作業であり、作業者にとっては体力的にも精神的にも負担が大きいです。しかし、自動溶接機がその作業を引き受けることで、作業者はより安全な環境で作業に集中することができるようになります。
溶接技術を扱う現場では、教育の重要性も高まっています。新しい技術を使うには、適切に操作するための知識とスキルが求められるからです。例えば、工場での研修プログラムや学校での教育カリキュラムを通じて、溶接技術者を育成することが必要です。

自動溶接の仕組み

自動溶接には、大きく分けて2つの種類があります。一つは専用のレールに沿って動く自動溶接機、もう一つは自由な腕を持つロボット溶接機です。


自動溶接機


自動溶接機は、工場のラインで使われる決められた方向にしか動けないタイプの溶接機です。まるで線路の上を走る電車のように、レールに沿って正確に溶接を行います。比較的安価で導入しやすく、直線的な作業に適しています。

ロボット溶接


ロボット溶接は、自由な腕を持つロボットが溶接を行います。このタイプの溶接機は、複雑な形状や多方向に動く必要がある作業に適しています。価格は高価ですが、その分高い柔軟性と精度を持っています。
どちらのタイプも、溶接条件(例えば電流やワイヤー送り速度など)を事前に設定し、プログラムに基づいて溶接機が自動で動作します。

溶接ロボットの基本構成

溶接ロボットは一般的に、以下の3つの主要な部分で構成されています。


1. マニピュレーター

マニピュレーターは溶接ロボットの本体部分で、先端に取り付けられた溶接トーチを交換することで、さまざまな種類の溶接に対応することができます。マニピュレーターの柔軟な動きと多様なトーチの組み合わせにより、複雑な溶接作業も自動化が可能です。


2. コントローラー

コントローラーはマニピュレーターを動かすための制御装置です。この部分には、プログラミングペンダントから読み込んだデータを記憶するコンピュータ部、そしてマニピュレーターと通信を行うためのインターフェース回路などが含まれています。


3.ティーチングペンダント

ティーチングペンダントは、マニピュレーターに動きを覚えさせるための装置です。マニピュレーターの動作データを新たに作成したり、既存のデータを変更・修正することができます。ペンダントを使った細かな設定により、溶接ロボットは様々な作業が可能になります。
マニピュレーターが実際の溶接を行い、コントローラーがその動きを制御し、ティーチングペンダントがその動作を指示するという連携により、溶接ロボットは多様な溶接ニーズに応えられるのです。


自動溶接のメリット

自動溶接には多くのメリットがあります。まず、速く正確に溶接ができる点が挙げられます。熟練の溶接工よりも速く、常に安定した品質で溶接が可能です。例えば、1時間かかる作業が自動溶接機なら30分で完成し、その品質も一定に保たれます。
次に、人件費の削減が可能です。自動溶接機を導入することで、溶接工の数を減らし、結果的に人件費を抑えられます。昨今では人材不足も顕著なので、人手不足の現場にも導入が進んでいます。
そのほか、安全性の向上や厳しい労働環境の改善などにも効果があり、予算があれば導入するのが当たり前になりつつあります

自動溶接のデメリット

しかし、自動溶接にもいくつかのデメリットがあります。まず、導入コストが高い点です。自動溶接機やロボットを購入するための費用がかかります。最初は大きな投資が必要ですが、長期的に見ればメリットが上回ることが多いです。
また、技術的な知識が必要です。溶接条件の設定やプログラミングには専門的な知識が求められます。しかし、適切な訓練を受ければ誰でも習得可能です。
さらに、適用範囲が限られることもデメリットです。薄い板や非常に複雑な形状の溶接には対応できない場合があります。それでも、多くの種類の金属に対応できる点は大きな強みです。

自動溶接の選び方

自動溶接を導入する際には、以下のポイントを考慮しましょう。まず、必要な機能を明確にすることです。溶接する材質や形状、求められる精度などを考慮し、それに合った機能を持つ機器を選びます。
次に、予算を設定してください。予算に応じて、自動溶接機かロボット溶接機のどちらを導入するかを決めます。例えば、車のフレームを溶接する場合は、柔軟性のあるロボット溶接機が適していますが、予算が限られている場合は、自動溶接機から始めるのも良い選択です。

自動溶接の未来

自動溶接は今後も進化し続ける技術です。AIやIoT技術を活用することで、さらに高度な自動化が実現するでしょう。例えば、AIによる溶接条件の自動設定が可能になると、経験や知識がなくても最適な条件で溶接ができるようになります。まるで料理のレシピのように、AIが最適な手順を教えてくれるのです。
また、IoT技術を活用することで、溶接状況をリアルタイムで監視し、問題が発生した場合にはすぐに通知されるシステムが実現します。まるで工場の番犬のように、トラブルを見逃さず、迅速に対応できるのです。

まとめ

自動溶接のメリットとして、速く正確な作業が可能となり、人件費の削減、安全性の向上、労働環境の改善が挙げられます。一方で、導入コストの高さや技術的な知識の必要性、適用範囲の限界といったデメリットも存在します。

自動溶接を導入する際には、必要な機能や予算、信頼できるメーカーの選定などを慎重に検討することが重要です。未来の自動溶接技術はAIやIoTなどの先進技術との融合により、さらに進化していくことでしょう。

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